世界には面白い税金がたくさんある

お金と税金
安江一勢
27歳で税理士をしています!

20代に向けて「お金の本」を執筆したり、幸せになるお金の知識を伝えたりしています!

 

いざという時のための警察や救急、消防。災害時の援助や支援。

学校教育や医療費の補填など。

私たち国民が安心して生活をするために、さまざまなことに税金は使われています。

 

そして、さまざまなことに税金を使うために、私たち国民から税金を徴収します。

 

例えば、私たちが住んでいる日本において、主に課税される税金といえば…。

 

給料から徴収する所得税住民税。モノを売り買いしたらかかってくる消費税。

会社の利益に対して課される法人税

亡くなった際に一定以上の財産のある方に対する相続税や、お金をもらったときの贈与税

この他にも、いろいろな場面で、税金は課され、国は税金を集めています。

 

ただ、これは日本での税金です。

当然のことですが、日本以外の国でも、同じように税金の仕組みはあります。

 

少し視野を広げて、世界の税金のことも見てみると、日本では考えられないような税金もたくさんあります。

 

税金は、その国の状況や思惑などが出てくる部分でもあるので、見てみると、意外と面白いものですよ。

 

暮らしにまつわる面白い税金

まずは、暮らしにまつわる、面白い税金からご紹介していきます。

 

ソーダ税(アメリカ)

アメリカの食事のイメージと言えば、ハンバーガーにコーラとポテトという方も多いのではないでしょうか?

コーラをはじめとする炭酸飲料は甘くて爽快感があって美味しいですが、その分、体に悪影響なのは言うまでもありません。

 

そこで、アメリカのバークレー州では、肥満対策という意味合いもあり、ソーダなどの炭酸飲料に課税するソーダ税が導入されました。

これは一定の効果があったようで、炭酸飲料の売上は減り、ミネラルウォーターなどの売上は増えたそうです。

そして、肥満率も下がったそうです。

 

健康においては良いことかもしれませんが、ソーダ好きにとっては、たまらない税金ですね…(笑)

 

ポテトチップス税(ハンガリー)

さて、次は、ポテトチップスなどのお菓子に対する税金です。

これは、ハンガリーに導入されたものです。

 

ハンガリーは、成人の4人に1人が肥満の肥満大国だそうです。

そのため、その肥満解消を名目として、ポテトチップスやクッキーなどの糖分や塩分などが多いお菓子に対して、課税される「ポテトチップス税」が導入されました。

 

これにより、お菓子などの購入や消費が減り、肥満が解消されると、病院へ行く人たちも減り、医療費も減ります。

国にとっても、健康な国民が増え、税収も上がるので、良いことだらけではないでしょうか?

 

ただ、お菓子を作っている事業者さんにとっては、大変大きな影響を受けそうな税金ですよね…。

 

仕事にまつわる面白い税金

暮らしの面白い税金はいかがでしたか?

次は、仕事にまつわる面白い税金です。

 

営業税(ドイツ)

非常に働き方が柔軟なドイツ

そんなドイツでは、仕事をしたら税金を取られるというなかなか衝撃な税金がありました。

 

それは営業税です。

これは、日曜日に店を開けて営業をしたら税金を課税するというものです。

 

従業員が働きすぎないように導入された税金だったようで、さすがドイツという税金ですね。

 

渋滞税(イギリス)

次はイギリスのロンドンで導入されている渋滞税です。

コンジェスチョン・チャージと呼ばれるもので、あまりに日常的な渋滞が多く、不便がかかっているということで、導入がされました。

 

この渋滞税が設定されている道路では、そこを自動車で通る場合には、1日ごとに税金が課税されます。

その道路付近に住んでいる人も、観光客がレンタカーを使った場合なども課税がされる税金です。

 

渋滞税の効果は大きかったようで、ロンドン市の渋滞率は大幅に下がったとロンドン交通局は発表しています。

 

渋滞に税金を課すなんて…。アイデアが凄いですよね。

 

プライベートにまつわる面白い税金

最後は、プライベートにまつわる税金です。

せっかくなので、最初に日本のものからご紹介します。

 

入湯税(日本)

温泉に入る際にかかってくる税金。それが入湯税です。

なんとも、日本らしい税金ですよね。

 

「温泉はよく行くけど払ったこと無いよ」という方は、きっと宿泊代や利用代に含まれているかと思いますので、ご安心ください。

きちんと入湯税の納税がされていることと思います。

 

なお、日本温泉協会の情報によると、入湯税の納税ナンバーワンの市町村は、神奈川県箱根町の温泉郷である箱根温泉郷だったそうです。

さすが、箱根温泉ですね。

 

犬税(ヨーロッパ)

最後に、ご紹介するのは、ドイツやオーストリア、フィンランドなどのヨーロッパで導入がされている「犬税」です。

これは、その名の通り、飼育している犬の頭数に応じて、毎年納税する税金です。

自動車税にイメージが違いかもしれません。

 

この犬税は、うまく活用されており、犬のフンなどで汚れた街の清掃費用や、犬が繁殖しすぎないような対策などに使われているようです。

 

また、実は、この犬税は、昭和の終わり頃までは、なんと日本でも導入がされていました。

飼育場所や犬種などで税率も違ったそうで、犬を買っている飼い主さんたちは、税金をしっかりと納めていたそうです。

 

ペットブームの現代において、もしかすると、いずれ「ペット税」のようなものが復活してしまうかもしれませんね…。

 

税金の背景を知るといろんなことが見えてくる

いかがでしたか?

いろんな税金が世界にはありますよね。

この他にも、独身税や脂肪税、学位税など、世界にはいろんな税金があります。

 

なかには、廃止がされたものや、他の国の効果をみて、自分の国でも今後導入を検討しているものもあり、絶えず変わり、絶えず生まれていくことでしょう。

 

このように、日本だけでなく、世界にはさまざまな税金があり、それぞれ課税方法や課税対象も違いますが、一つ共通していることがあります。

 

それは、「税金を導入する際には必ず意図や意味がある」ということです。

 

現在、日本で導入されている「復興特別所得税」は東日本大震災の復興のために設けられた税金です。

これは、震災が起きたからこそ、生まれたものです。

 

と、考えると、今後はコロナ税みたいなものが導入されることは、容易に考えられます。

 

ポテトチップス税は肥満解消のため、渋滞税は渋滞解消のため。

そのような、税金が導入されている奥を見ていくことも、経済や国を知ることにつながっていくと思いますので、ぜひ、知るようにしてくださいね。

 

税金は、国民みんなのものだからこそ。

私たち国民が過ごしやすくなるために、制度を整えてもらいたいですね。

 

本日もお読みいただき、ありがとうございました。

 

参考:日本温泉協会(https://www.spa.or.jp)

(税金がどのようなことに使われているかについては、こちらの記事にて!)

私たちの税金はどんなことに使われているの?