貯金に税金が課せられる!?

お金と税金
安江一勢
27歳で税理士をしています!

20代に向けて「お金の本」を執筆したり、幸せになるお金の知識を伝えたりしています!

 

「貯金に税金が課せられたら、世の中どうなるんだろう?」

先日、確定申告の仕事をしながら、税金の計算をしていく中で、私がふと、思ったことです。

 

2020年に新型コロナウイルスの影響で支給された「特別定額給付金」

10万円が支給されたやつです。記憶に新しいかと思います。

 

あなたは、この10万円の給付金をどのように使いましたか?

 

とりあえず貯蓄しておこうは正解?

ニッセイ基礎研究所が行った「新型コロナによる暮らしの変化に関する調査」によると、全体の回答者数の2,062人のうち、一番多かったものは、「生活費の補填」で53.7パーセントでした。

そして、次に多かったものが、「貯蓄」の26.1パーセントでした。

他には、「国内旅行」や「家電やテレビなどの購入」「マスクなどの衛生用品の購入」が挙げられたようです。

 

なお、これらは全世代のデータであり、20代に絞って、データを見てみると、

生活費の補填:45.0パーセント

貯蓄:30.9パーセント

となりました。

 

なんと、20代は貯蓄をしたという人の割合が高くなりました。

困窮した世の中。生活費の補填は仕方がないとは思いますが、その次に貯蓄が多いとは…。

将来に不安を感じたからこその貯蓄かもしれませんが、果たして貯蓄をすることは正しかったのでしょうか?

 

「とりあえず貯蓄しとこう」

と、いう選択をした20代が多かったのではないかと、思います。

 

特別定額給付金の意図

この特別定額給付金のそもそも意図は、某社長のような、ただのお金配りではありません(笑)

総務省のホームページによると、特別定額給付金の目的は、

「新型コロナウイルス感染症緊急経済対策」(令和2年4月20日閣議決定)において、「新型インフルエンザ等対策特別措置法の緊急事態宣言の下、生活の維持に必要な場合を除き、外出を自粛し、人と人との接触を最大限削減する必要がある。医療現場をはじめとして全国各地のあらゆる現場で取り組んでおられる方々への敬意と感謝の気持ちを持ち、人々が連帯して一致団結し、見えざる敵との闘いという国難を克服しなければならない」と示され、このため、感染拡大防止に留意しつつ、簡素な仕組みで迅速かつ的確に家計への支援を行う。

と、書かれてありました。

 

表向きの理由は、「家計への支援」というもの。

では裏側は?

 

それは、「経済を国民に支えてほしい」というだと考えられます。

 

いわゆる、

「お金を配るから、そのお金で物を買って、商売をしている人を助けてね」

というものです。

 

そのため、

「10万円をあげるから、そのお金は使ってね」という意図で、特別定額給付金は支給されました。

 

しかし、思った通りにはいかず…。

貯蓄をする方が多かったという事実に…。

 

貯蓄をしても、経済は回りません。

果たして、特別定額給付金の支給は正しかったのでしょうか?

 

貯蓄税は議論が行われているようだ

さて、今回のテーマは特別定額給付金ではありません。

貯蓄と税金についてです。

 

今の日本では、貯蓄にはお金はかかりません。

(亡くなった時の相続税などはかかりますが…)

 

給料をもらったら所得税が課せられて、モノを買ったら消費税が課せられる。

税収を上げるためには、どこかで税金を課税するか、税率を上げていくしかありません。

 

最近では、所得税が増税傾向、消費税も10パーセントになりました。

でも、今回のコロナの一見で、国の財政もより厳しくなったことは簡単に想像ができます。

 

そう考えると…?

増税を行うか、違うもので税金を徴収しなければなりません。

 

そこで手取り早い方法として、考えられるものが「貯蓄税」です。

お金を持っている人から、税金を取ってしまおう。

お金を使わないなら、そこに税金を課税してしまえというものですね。

 

貯蓄税については、ニュースでも取り上げられるほどに、議論が行われているようですが、近い将来実現してしまうかもしれませんね。

こればっかりは、日本に住んでいる以上、日本のルールに従うしかありません。

 

過去にも似たような税金が…

ちなみに、この貯蓄税。

日本では、過去に似たような税金があったことをご存知ですか?

 

1950年。一定以上の資産を持っている人に課税されていた税金。

それが「富裕税」です。

 

お金や資産がある人に税金を課そうというものでしたが、たった3年でこの富裕税は廃止されました。

理由は「財産の把握が困難だったから」です。

 

それもそのはず。

今から、70年前は、インターネットが普及しているはずもなく、財産の管理は手集計だった時期。

適正な財産の把握なんて、できるわけがありません。

 

しかし、今は…。

マイナンバーや暗号通貨が普及すれば、いろいろなものが紐づけられるようになるでしょう。

そうなると、財産の把握だなんてものは簡単にできてしまいます。

 

となると…。

貯蓄税や富裕税のようなものが誕生しても、おかしくはないのかなと思います。

 

お金は使わなければ増えない

さて、最後に。

 

今の経済状況や、これからの尽きない不安から、ついつい貯蓄をしてしまう気持ちもわかります。

しかし、私たち国民が貯蓄をすればするほど、世の中にお金が流れなくなるため、不景気へとなってしまいます。

 

お金は束縛が嫌いなのか、貯めているだけでは、持っているだけでは増えることはありません。

使うことでしか増えません。

 

その使い道が浪費では、増えることはありませんが、自分磨きや自分のテンションやモチベーションが上がることに使うことで、お金の流れは必ず良くなります。

1年間でコツコツ我慢をしながら、目的もなく、50万円とか100万円とかを貯めるくらいならば、自己投資を行って、1ヶ月で1週間で1日で、それくらいのお金を稼げる自分になりましょう。

 

貯蓄税が導入されないように、経済を回すために、お金を使って。

貯蓄税が導入されても、快く納税できるように、しっかりと稼いで。

 

幸せのために、お金を使ってくださいね。

 

 

本日もお読みいただき、ありがとうございました。

 

参考文献:

ニッセイ基礎研究所「特別定額給付金10万円の使い道」https://www.nli-research.co.jp/report/detail/id=64905?pno=2&site=nli

総務省「特別定額給付金」https://www.soumu.go.jp/menu_seisaku/gyoumukanri_sonota/covid-19/kyufukin.html