リボ払いの仕組み

お金の知識
安江一勢
27歳で税理士をしています!

20代に向けて「お金の本」を執筆したり、幸せになるお金の知識を伝えたりしています!

 

「リボ払いだけは止めといた方が良い」

社会人になると、一度は必ず聞いたことがあるのではないでしょうか?

 

たしかにその通り。止めといた方が安全です。

リボ払いは一度沼にハマってしまうと、抜け出すのは、なかなか難しくなります。

 

では、なぜ、そのようなことになるか、知っていますか?

今回は、その「リボ払い」について、解説をしていきます。

 

リボ払いとは?

リボ払いの正式名称は

「リボルビング払い」と言います。

 

これは、クレジットカードの支払方法の一つです。

リボ払いの他には、一括払いと分割払いがあります。

基本的には、この一括払いか分割払いで払われるのではないでしょうか?

 

一括払いは、次のカードの引き落とし日に一括して支払う方法。

分割払いは、3回などで、何ヶ月かに分けて、支払う方法です。

その言葉通りなので、イメージもしやすいかと思います。

 

では、リボ払いはというと…。

「あらかじめ、設定しておいた金額を支払う方法」です。

 

ん?分割払いと同じなのでは?

そう思われた方もいるかもしれません。

しかし、これは全く違います。

 

事例で考えてみよう

あなたが1月に30万円のパソコン。2月に6万円の時計を買ったとしましょう。

これをそれぞれの方法で払ったとして、見てみます。

(手数料については無しとする)

 

◆一括払い(カードの引き落としが翌月の場合)

1月:支払額 0円

2月:支払額 30万円

3月:支払額 6万円

 

◆分割払い(3回払いを設定した場合)

1月:支払額 0円

2月:支払額 10万円

3月:支払額 10万円

4月:支払額 12万円(10万円+2万円)

5月:支払額 2万円

6月:支払額 2万円

 

◆リボ払い(4万円で設定をした場合)

1月:支払額 0円(残高30万円)

2月:支払額 4万円(残高32万円)

※30万円ー4万円+6万円=32万円

3月:支払額 4万円(残高28万円)

4月:支払額 4万円(残高24万円)

5月:支払額 4万円(残高20万円)

6月:支払額 4万円(残高16万円)

7月:支払額 4万円(残高12万円)

8月:支払額 4万円(残高8万円)

9月:支払額 4万円(残高4万円)

10月:支払額 4万円(残高0円)

 

つまり、リボ払いは「どれだけ使おうが、ずっと定額払い」になります。

そのため、分割払いとは、全く異なるものになります。

 

この事例では、3月以降は、何もリボ払いで購入しなかったらと仮定しているので、払い終わりますが、何かをまたリボ払いで買ってしまった場合には、残高は膨れ上がり、4万円の支払いは続くことになります。ここが、リボ払いの良いところでもあり、危ない部分でもあります。

 

リボ払いのメリット

簡単にまとめると、リボ払いのメリットは、「毎月の支払額が変わらない」という部分にあります。

そのため、固定費を一律にできてしまうので、毎月の計算はしやすいですよね。

どれだけの物を買おうが、支払額は変わらないと考えると、少し夢のような話にもなります。

 

リボ払いの説明の資料には、言葉巧みにこのようなことを伝えていることでしょう。

中には、クレジットカードの契約の際に、初めからリボ払いにするように勧誘をされたり、毎月の支払額を低く設定してしまったりもします。

 

「どんなに買い物をしても、毎月1万円の支払いだけで大丈夫ですよ!」

そんな風に言われたことや、CMなどで見たことはないでしょうか?

 

さっきの事例の30万円のパソコンも、6万円の時計も。毎月1万円の支払いで済みます。

夢のような話ですよね。

 

しかし…

ただ、もちろんですが、このリボ払いには罠があります。

クレジットカードの発行会社が積極的に勧めることも、発行会社側に利益があってのことです。

何で儲けているかというと、手数料です。

リボ払いには、高額な手数料が発生します。

 

そのため、リボ払いは使い方を誤ってしまうと、一生と言って良いほど、お金を支払い続けることになってしまいます。

それくらい、手数料が重くのしかかります。

 

では、どのくらい手数料がかかるのでしょうか?

おそらく、あなたが思っている金額以上だと思います。

 

クレジットカードによって、それぞれにはなりますが、だいたいリボ払いの手数料は、残高に対しての利率が年15%のところが多いようです。

「15%」ですよ。

 

100万円だったら、15万円。

10万円だったら、1万5,000円。

 

この金額が、本体の金額とは別に年間でかかってきます。

結構、大きな金額ですよね。

 

イメージしにくいかと思いますので、再び事例で解説をします。

 

手数料を含めたリボ払いの返済額

先ほどの事例を参照したいので、毎月の返済額4万円はそのままでいきます。

この返済額の4万円というのは、手数料部分も含めた金額になります。

そのため、毎月支払っている4万円という金額の中には、手数料も含まれた金額になります。

数字に表して、解説をしていきます。

(利率は15%とする)

 

1月:支払額 0円(残高30万円)

2月:支払額 4万円

(残高:323,750円、手数料:3,750円)

3月:支払額 4万円

(残高:287,797円、手数料:4,047円)

4月:支払額 4万円

(残高:251,394円、手数料:3,597円)

5月:支払額 4万円

(残高:214,537円、手数料:3,142円)

6月:支払額 4万円

(残高:177,218円、手数料:2,682円)

7月:支払額 4万円

(残高:139,434円、手数料:2,215円)

8月:支払額 4万円

(残高:101,177円、手数料:1,743円)

9月:支払額 4万円

(残高:62,441円、手数料:1,265円)

10月:支払額 4万円

(残高:23,222円、手数料781円)

11月:支払額 23,512円

(残高:0円、手数料:290円)

 

総支払額:383,512円

(本体:360,000円、手数料:23,512円)

 

となりました。

この場合だと、毎月支払いが4万円で済む代わりに手数料を23,512円払うことになります。

 

自分としては、4万円しか払っていないつもりなのに、いつの間にか、2万円ほど多く払うことになってしまっている。

知らず知らずのうちに、損をしてしまうということですね。

 

もしも、毎月の支払い設定額が1万円だったら…?

ちなみに、先ほどの事例で、毎月の支払設定額が1万円だったら、どうなると思いますか?

これが、本当に怖い事実。

 

なんと、支払い終わるまでに、4年と1ヶ月、かかります。

手数料を含めた総支払額が「479,899円」に。

36万円の物を買ったのに、です。

 

手数料のトータルの金額は、119,899円になり、この分だけ、多く払うことになってしまいました。

 

知らず知らずのうちに借金が膨らんでいく。

リボ払いは、仕組みを知っておかないと、どんどんとお金が無くなっていくことでしょう。

そのため、注意が必要です。

 

予測を立てずにお金を使うな

いかがでしたか?

もしも、あなたがリボ払いをしているのであれば、今すぐそれは止めましょう。

正直、お金がもったいないです。

 

クレジットカードを使うときは原則一括で。

自分が払える金額の範囲内で使うようにしましょう。

 

そうでないと、いつの間にか、払わなくて良いお金まで払うことに

大切なお金をそんなものに使うことは、もったいないですよね。

 

大きなお金を使う時には、予測を立てて。

ご利用は計画的にということですね。

 

 

以上になります。

少しでも、リボ払いのことを知ってもらえていたら、嬉しいです。

お読みいただき、ありがとうございました。