「リボ払いだけは止めといた方が良い」
社会人になると、一度は必ず聞いたことがあるのではないでしょうか?
たしかにその通り。止めといた方が安全です。
リボ払いは一度沼にハマってしまうと、抜け出すのは、なかなか難しくなります。
では、なぜ、そのようなことになるか、知っていますか?
今回は、その「リボ払い」について、解説をしていきます。
リボ払いとは?
リボ払いの正式名称は
「リボルビング払い」と言います。
これは、クレジットカードの支払方法の一つです。
リボ払いの他には、一括払いと分割払いがあります。
基本的には、この一括払いか分割払いで払われるのではないでしょうか?
一括払いは、次のカードの引き落とし日に一括して支払う方法。
分割払いは、3回などで、何ヶ月かに分けて、支払う方法です。
その言葉通りなので、イメージもしやすいかと思います。
では、リボ払いはというと…。
「あらかじめ、設定しておいた金額を支払う方法」です。
ん?分割払いと同じなのでは?
そう思われた方もいるかもしれません。
しかし、これは全く違います。
事例で考えてみよう
あなたが1月に30万円のパソコン。2月に6万円の時計を買ったとしましょう。
これをそれぞれの方法で払ったとして、見てみます。
(手数料については無しとする)
◆一括払い(カードの引き落としが翌月の場合)
1月:支払額 0円
2月:支払額 30万円
3月:支払額 6万円
◆分割払い(3回払いを設定した場合)
1月:支払額 0円
2月:支払額 10万円
3月:支払額 10万円
4月:支払額 12万円(10万円+2万円)
5月:支払額 2万円
6月:支払額 2万円
◆リボ払い(4万円で設定をした場合)
1月:支払額 0円(残高30万円)
2月:支払額 4万円(残高32万円)
※30万円ー4万円+6万円=32万円
3月:支払額 4万円(残高28万円)
4月:支払額 4万円(残高24万円)
5月:支払額 4万円(残高20万円)
6月:支払額 4万円(残高16万円)
7月:支払額 4万円(残高12万円)
8月:支払額 4万円(残高8万円)
9月:支払額 4万円(残高4万円)
10月:支払額 4万円(残高0円)
つまり、リボ払いは「どれだけ使おうが、ずっと定額払い」になります。
そのため、分割払いとは、全く異なるものになります。
この事例では、3月以降は、何もリボ払いで購入しなかったらと仮定しているので、払い終わりますが、何かをまたリボ払いで買ってしまった場合には、残高は膨れ上がり、4万円の支払いは続くことになります。ここが、リボ払いの良いところでもあり、危ない部分でもあります。
リボ払いのメリット
簡単にまとめると、リボ払いのメリットは、「毎月の支払額が変わらない」という部分にあります。
そのため、固定費を一律にできてしまうので、毎月の計算はしやすいですよね。
どれだけの物を買おうが、支払額は変わらないと考えると、少し夢のような話にもなります。
リボ払いの説明の資料には、言葉巧みにこのようなことを伝えていることでしょう。
中には、クレジットカードの契約の際に、初めからリボ払いにするように勧誘をされたり、毎月の支払額を低く設定してしまったりもします。
「どんなに買い物をしても、毎月1万円の支払いだけで大丈夫ですよ!」
そんな風に言われたことや、CMなどで見たことはないでしょうか?
さっきの事例の30万円のパソコンも、6万円の時計も。毎月1万円の支払いで済みます。
夢のような話ですよね。
しかし…
ただ、もちろんですが、このリボ払いには罠があります。
クレジットカードの発行会社が積極的に勧めることも、発行会社側に利益があってのことです。
何で儲けているかというと、手数料です。
リボ払いには、高額な手数料が発生します。
そのため、リボ払いは使い方を誤ってしまうと、一生と言って良いほど、お金を支払い続けることになってしまいます。
それくらい、手数料が重くのしかかります。
では、どのくらい手数料がかかるのでしょうか?
おそらく、あなたが思っている金額以上だと思います。
クレジットカードによって、それぞれにはなりますが、だいたいリボ払いの手数料は、残高に対しての利率が年15%のところが多いようです。
「15%」ですよ。
100万円だったら、15万円。
10万円だったら、1万5,000円。
この金額が、本体の金額とは別に年間でかかってきます。
結構、大きな金額ですよね。
イメージしにくいかと思いますので、再び事例で解説をします。
手数料を含めたリボ払いの返済額
先ほどの事例を参照したいので、毎月の返済額4万円はそのままでいきます。
この返済額の4万円というのは、手数料部分も含めた金額になります。
そのため、毎月支払っている4万円という金額の中には、手数料も含まれた金額になります。
数字に表して、解説をしていきます。
(利率は15%とする)
1月:支払額 0円(残高30万円)
2月:支払額 4万円
(残高:323,750円、手数料:3,750円)
3月:支払額 4万円
(残高:287,797円、手数料:4,047円)
4月:支払額 4万円
(残高:251,394円、手数料:3,597円)
5月:支払額 4万円
(残高:214,537円、手数料:3,142円)
6月:支払額 4万円
(残高:177,218円、手数料:2,682円)
7月:支払額 4万円
(残高:139,434円、手数料:2,215円)
8月:支払額 4万円
(残高:101,177円、手数料:1,743円)
9月:支払額 4万円
(残高:62,441円、手数料:1,265円)
10月:支払額 4万円
(残高:23,222円、手数料781円)
11月:支払額 23,512円
(残高:0円、手数料:290円)
総支払額:383,512円
(本体:360,000円、手数料:23,512円)
となりました。
この場合だと、毎月支払いが4万円で済む代わりに手数料を23,512円払うことになります。
自分としては、4万円しか払っていないつもりなのに、いつの間にか、2万円ほど多く払うことになってしまっている。
知らず知らずのうちに、損をしてしまうということですね。
もしも、毎月の支払い設定額が1万円だったら…?
ちなみに、先ほどの事例で、毎月の支払設定額が1万円だったら、どうなると思いますか?
これが、本当に怖い事実。
なんと、支払い終わるまでに、4年と1ヶ月、かかります。
手数料を含めた総支払額が「479,899円」に。
36万円の物を買ったのに、です。
手数料のトータルの金額は、119,899円になり、この分だけ、多く払うことになってしまいました。
知らず知らずのうちに借金が膨らんでいく。
リボ払いは、仕組みを知っておかないと、どんどんとお金が無くなっていくことでしょう。
そのため、注意が必要です。
予測を立てずにお金を使うな
いかがでしたか?
もしも、あなたがリボ払いをしているのであれば、今すぐそれは止めましょう。
正直、お金がもったいないです。
クレジットカードを使うときは原則一括で。
自分が払える金額の範囲内で使うようにしましょう。
そうでないと、いつの間にか、払わなくて良いお金まで払うことに…。
大切なお金をそんなものに使うことは、もったいないですよね。
大きなお金を使う時には、予測を立てて。
ご利用は計画的にということですね。
以上になります。
少しでも、リボ払いのことを知ってもらえていたら、嬉しいです。
お読みいただき、ありがとうございました。
20代に向けて「お金の本」を執筆したり、幸せになるお金の知識を伝えたりしています!