老後のお金っていくらかかるの?

お金の知識
安江一勢
27歳で税理士をしています!

20代に向けて「お金の本」を執筆したり、幸せになるお金の知識を伝えたりしています!

 

2019年にニュースなどで話題になった「2000万円問題」について。

あなたはどのような印象を抱きましたか?

 

20代の方にとって、これは遠い未来の話ではありません。

 

「え?そんなに必要なの?知らなかった」となるのか。

「え?今更?そんなの当たり前でしょ」となるのか。

 

普段、どれだけあなたがお金のことを考えて、備えているかで、この2000万円問題についての捉え方が変わったことと思います。

 

備えあれば憂いなし。

まずは、しっかりと問題と向き合い、備えておきましょう。

 

2000万円問題とは

金融庁が発表した報告書では、定年退職後の65歳から95歳まで生きた場合には、年金収入だけでは、生活費は賄えず、その他に2000万円の蓄えが必要だということが書かれていました。

国民は「え?年金だけで生活できないの?2000万円貯金をしておかないといけないの?」と大きな疑心と不安に駆られました。

 

それもそのはず。

少子高齢化社会により、年金制度は、大きな歪みが生まれています。

 

この制度をつくったときには、少子高齢者社会ではなかったため、うまく成り立っていた制度ですが、今は前提条件が崩れてしまっています。

そんな状態では、当初の予定通りに制度が機能するはずもありません。

 

今の時点で、年金制度が破綻しつつあるならば…。

私たち20代が老後を迎えるときには、さらに厳しいものになっている可能性すらあります。

 

老後にかかるお金はどんなもの?

さて、そして、この金融庁の報告書ですが、実は、さまざまな前提条件があります。

例えば…。

・自宅については賃貸ではなく持ち家であること

・住宅ローンは払い終わっていること

・老人ホームなどの費用は含まれていないこと

などです。

 

仮に、賃貸であったり、老人ホームに入りたい場合であれば、さらに多くのお金が必要になります。

持ち家の場合であっても、もしかすると、老朽化に伴う大規模修繕や、バリアフリーに対応するためのリノベーション等を行うかもしれません。

 

そんなことを考えると、不安になってきますよね。

 

他にも、加齢に伴い病気がちになってしまって医療費が増えてしまったり、かわいい孫にお金を使ってしまったり、新たな趣味もできるかもしれません。

実際のところ、2000万円以上のお金が必要だということが言えます。

 

ただ、これはお金のことを真剣に考えている方であれば、そんなに驚く話でもありません。

お金の知識があれば、これくらいの感覚や計算はできるので、他の人よりも早く、その不安に備えていることでしょう。

いったいいくらかかるの?

では、いったいいくらかかるのか?

こればっかりは、それぞれの生活レベルによって異なるので、なんとも言えません。

 

ただ、これだけははっきりと言えます。

2,000万円の貯蓄じゃ、足りません…(笑)

 

老後は、働かなくなる分、自由に使える時間は大きく増えます。

そんなゆったりとした時間を何もせずに過ごすというのは、きっと幸せではないはずです。

 

夫婦で旅行へ行ったり、子供や孫と交流したり、友人と会話をしたり、趣味を謳歌したり。

老後だからこその楽しみもあるでしょう。

 

となると、やはり、その老後のことも考えておかなければなりません。

 

ちなみに、日本FP協会が公開している情報によると、老後にかかる具体的なお金は、以下のものがあるそうです。これ以外に、もちろん日々の生活費もかかります。

もらえる年金の金額は、現役世代で働いていた給与や社会保険の有無などでも変わりますので、その部分の金額も知っておくと、少しは不安が減るかもしれませんね。

(場合によっては、「こんなものしかもらえないの?」と不安が大きくなってしまうかもしれませんが…)

 

・子どもの結婚費用援助:100万円〜300万円

・子どもの住宅資金援助:〜1,000万円

・住宅のリフォーム:50万円〜300万円

・海外旅行:20万円〜60万円

・車の買い替え:100万円から200万円

・葬儀費用:100万円〜200万円

 

備える方法は「貯金」だけではない

少し不安になった方もいれば、考えていかないとなと気合を入れた方もいるかもしれません。

 

ここで、

「老後が不安だから、今から節約をして、コツコツ貯金をしておこう」

となってしまう方。要注意です。

 

備える方法は貯金だけではありません。

むしろ、今から老後のために貯金をして、今を我慢しすぎてしまうと、何のために生きているか分からなくなってしまいます。

 

お金というのは、幸せになるために使うものです。

幸せになるために使えないお金は、価値がありません。

 

では、どうすれば良いのか。

この方法は、いくつかありますが、問題となった金融庁の報告書には、実は続きがあります。

 

この報告書をよく読んでみると、2000万円足らなくなるからどうすれば良いのか?ということもしっかりと書かれています。

 

各自、投資をして、お金を増やしていって欲しいと書いてあったり。

お金の知識が乏しい方が多いから、そこら辺の教育やアドバイザーに力を入れようであったり。

フリーランスとして、老後でも働き続けられる仕組みを早いうちから作っておいて欲しい。など。

 

お金がないから、貯めるのではなく。

お金がないからこそ、稼いでもらえたらと思います。

 

それが結局のところ、一番手っ取り早いです。

 

しかし、「お金を稼ぐ」ということは簡単なことではありませんし、みんながみんな起業家向けというわけではありません。

ただ、サポートすることが得意な方はサポートすることでお金を稼いでみたり、家事をするのが好きな人であれば家事をすることでお金を稼いでみたりと、起業せずともお金を稼ぐ方法はいくらでもあります。

 

お金を稼いでいる人のフォローやサポートをして、一緒に稼いでいくという方法も良いかもしれません。

 

そうやって、使えるお金を増やしていくことで、得られるお金を増やしていくことで、どうしようもない老後の不安は無くなっていくのではないでしょうか。

 

まずは、自分が老後にどれだけのお金がかかるのかを漠然でも良いので知ることから始めて。

そのときに困らないように、今のうちから、細く長くお金を稼ぐ準備を始めて行ってくださいね。

 

 

本日もお読みいただき、ありがとうございました。

 

参考文献:

金融庁報告書(https://www.fsa.go.jp/singi/singi_kinyu/tosin/20190603/01.pdf)

日本FP協会(https://www.jafp.or.jp/personal_finance/fresh/workbook/files/wb_part4.pdf)