20代のうちに知っておきたい”NISA”の知識

お金と税金
安江一勢
27歳で税理士をしています!

20代に向けて「お金の本」を執筆したり、幸せになるお金の知識を伝えたりしています!

 

NISA(ニーサ)。

この言葉、聞いたことがあるという方は多いのではないでしょうか?

 

CMや広告なんかで、よく見ますよね。

「投資の話ってことはわかるけど、それが何かは分からない…」

そんなイメージの方も多いのではないでしょうか?

 

20代のうちに知っておくべき、お金の知識の中でも、NISAはトップクラスに上がってくるもの。

まずは、概要や使い方を、お伝えします。

 

少額投資非課税制度

NISAは、いわゆる「少額投資非課税制度」のことを言います。

 

ざっくり言うと、

「少ない金額の投資については、その分の税金は非課税にしますよ」

というものです。

 

日本の税制では、株や投資で儲けた場合には、20%ほどの税金がかかります。

10万円儲けることができたとしたら、2万円が税金として、課税されます。

 

NISAはその部分の税金を非課税。つまり、「払わなくて良いですよ」という制度です。

 

なぜ、NISAができたか

「なんだ投資家向けの話か。投資をしていない自分には関係のない話か」

いえ、そうではありません。むしろ、逆です。

 

NISAは大きなお金を動かす投資家さん向けではなく、今から投資を始める人や副業として始められている人のための制度です。

国民に投資をやってもらいたいという趣旨から、作られた制度でもあります。

 

一昔前までは、貯蓄をしていれば、高い利率によってお金が増え、老後は国からもらえる年金で暮らすことができました。

しかし、今はそんな時代ではありません。

 

銀行にお金を預けていても、お金は数円ほどにしか増えません。

私たち20代からすれば、将来年金がもらえる保証なんてものはありません。

たとえ、もらえたとしても、その金額で暮らせるかどうかはわかりません。

 

そう考えると、自分でその将来のお金を準備しておかなければなりません。

そんなときに、「自分でお金を積み上げて、増やしていく手段」の一つとして、投資が勧められることとなりました。

 

国全体としても、お金を貯蓄されるだけでは、経済は回りません。

どのようにして、貯蓄ではない方法でお金を世の中に出してもらうか。

貯蓄よりも、投資や運用の方にお金を使ってもらえるか。

 

その結果が、少額投資をやりやすくする仕組みだったのです。

 

NISAにはいくつか種類がある?

さて、ここまで、NISAの簡単な説明と歴史をお伝えしてきました。

次は、種類についてです。

 

NISAは実はいくつか種類があります。

考え方はこれまでお伝えした内容と同じではありますが、その中身が少し違います。

これから、またいろんな種類が出てくるかもしれませんが、今現在(2021年2月)の時点では、以下の3種類があります。

・NISA

・ジュニアNISA

・つみたてNISA

 

細かい解説をここでしてしまうと、あまりに長くなってしまうので、概要だけ。

私は投資の専門家ではないので、どれが良いとか悪いとかの詳しい話まではできないので、NISAに興味を持たれた方は、専門家に聞いてみたり、専門書を読んだりされてみてくださいね。

ただ、このブログで、ある程度全体像を知識として持っておくだけでも、話が入ってきやすかったりするので、ぜひそのような気持ちで読まれてみてくださいね。

 

それぞれ何が違う?

では、それぞれ何が違うのでしょうか?

これは、主に「対象者」「対象期間」「対象金額」がそれぞれ違います。

簡単に一つずつ解説をしていきます。

(※金融庁ホームページを参照)

 

NISA

対象者:日本に住んでいる20歳以上の方

対象期間:最長5年間

対象金額:投資できる金額は毎年120万円まで

投資可能期間:2014年〜2023年

 

これは、一般的なNISAです。

初心者向けというよりかは、ある程度、投資をやったことがある人向けの制度といえるでしょう。

年間120万円の投資となると、それなりの知識が必要です。

今から始めてみようと思われる方は、3つ目のつみたてNISAで始めてみてくださいね。

 

ジュニアNISA

対象者:日本に住んでいる0歳〜19歳の方

対象期間:最長5年間

対象金額:投資できる金額は毎年80万円まで

投資可能期間:2016年〜2023年

 

これは、子供向けのNISAです。

「え?子供も?」と思うかもしれませんが、実際に運用するのは、親御さんのケースが想定されています。

子供のための将来の資金をNISAを使って、運用しながら積み立てておこうというものです。

お子さんがいらっしゃる方は、ジュニアNISAの検討も良いかもしれませんね。

 

つみたてNISA

対象者:日本に住んでいる20歳以上の方

対象期間:最長20年間

対象金額:投資できる金額は毎年40万円まで

投資可能期間:2018年〜2037年

 

さて、投資初心者の方は、この「つみたてNISA」を活用してみてください。

つみたてNISAは「少なく長く投資を行う」長期投資や積立投資に適した制度です。

選べる投資の商品も、そのような目的の商品しか選べないようになっています。

 

月1万円から。可能であれば、収入の10分の1くらいを目安に。

10年から20年くらいの期間をかけて、長く投資をしていくことが、つみたてNISAで行う投資のやり方です。

 

商品によっては、10年間で2倍になるというものもあるようです。

ただ、こればっかりはわかりませんが…。そういうリスクも含めて、投資です。

 

NISAのメリット

ここまで、なんとなく、概要くらいはわかって頂けましたか?

積立投資の話は、別の記事で解説をしていますので、こちらをぜひ参考にされてくださいね。

(「20代のうちに投資を始めよう」https://issei0504.blog/?p=493)

 

さて、では次に、NISAのメリットについてです。

ここでのNISAは、他の2つの種類のNISAも合わせた広義の意味でのNISAとして解説を致します。

 

NISAのメリット。

これは、何と言っても、「税金がかからない」ということです。

 

冒頭にお伝えをしました通り、投資による利益や配当金には税金がかかります。

会社の給料が稼いだ収入に応じて税率が変わる「超過累進税率」で所得税が課税されることに対して、投資による利益や配当金については一律の所得税が課税されます。

その税率が、所得税が15パーセント、住民税が5パーセントです。

今はさらにそこに東日本大震災の影響から生まれた復興特別所得税というものも課税されるので、合わせて、20.315パーセントの税率で課税されます。

 

通常であれば、投資の運用益で、100,000円稼いだら、20,315円が税金として課税され、あなたのもとに残るお金は79,685円です。

しかし、NISAを活用した場合には、その20,315円の税金は非課税となり、あなたは100,000円を丸々使うことができます。

 

お得ですよね。活用しないともったいないくらいでもあります。

 

「でも、まあ、いつかで良いか。もう少しお金の余裕が出てきてからで…」

それでも、良いんですが…。

 

残念ながら、NISAには、期限があります。

一般のNISAは2023年まで、つみたてNISAは2037年までです。

 

積立投資の方は特に、期間が少なくなればなるほど、その受けられる運用のメリットが小さくなります。

「興味を持ったときにとりあえず始めてみる」これくらいのフットワークの軽い考えでも良いかもしれません。

 

NISAのデメリット

メリットばかりを話すと、なんだか話が怪しくなってしまいますよね(笑)

そのため、しっかりとデメリットもお伝えさせて頂きます。

 

NISAの最大で唯一のデメリット。

それは先ほど、メリットでもあった非課税という部分です。

 

税金がかからないとお伝えしましたが、それは利益が出た場合の話です。

損失が出たら、どうなるか…?

 

通常であれば、A口座の投資で損失が出た場合には、他の口座の利益と合算して、税金を計算することができます。

例を出すと、このような感じです。

A口座:100,000円の投資利益(税金:20,315円)

B口座:50,000円の投資損失(税金:0円)

→税金の計算:(100,000円−50,000円)×20.315%=10,157円

 

解説をすると、通常はA口座で100,000円の投資利益が出ていることから、納めるべき税金は、20,315円

しかし、B口座でマイナスが出ていることから、そのマイナスを差し引いて、税金の計算をすることができるので、実際に支払う税金は、10,157円になります。

 

これを専門用語で「損益通算」と言います。

基本的には、プラスとマイナスを損益通算して、税金の計算を行います。

 

なんとなく、察してくれたかもしれませんが、NISAを活用すると、これができません。

利益が非課税の代わりに、損失も切り捨てられます。他の口座のプラスの投資利益と損益通算することができません。

 

先ほどと同じ事例で解説すると、このようになります。

A口座:100,000円の投資利益(税金:20,315円)

NISA(B口座):50,000円の投資損失(税金:0円)

→税金の計算:100,000円×20.315%=20,315円

※NISAの50,000円の損失は切り捨てられる。

 

先ほどのNISAを活用していない場合には、10,157円の納税で良かったものが、NISAの損失が切り捨てられたことによって、20,315円の納税をすることになりました。

この部分が、NISAの辛いところでもあります。

 

投資の世界では、必ず儲かるだなんてことはありません。

損をしてしまう可能性もあります。

 

損をするリスクがあるからこそ、得をするというメリットを受けることができます。

投資を始めるということは、その点も含めて、自己責任でということになりますね。

 

ただ、NISAのデメリットはこれくらいです。

NISAを始めたから、お金がかかるとかそういうことはありません。

あくまで、損失が出たときには、諦めるしかないよということですね。

 

「知らない」では損をしてしまう

長くなりましたが、いかがでしたでしょうか?

NISAのことを深く知るためには、投資のことを知ることもセットで大切です。

 

「投資は難しいから分からない」

「勉強するのが面倒」

「また後でタイミングが来たらやろう」

 

そう思うのは、簡単ですが、それではチャンスが狭まってしまいます。

知らないうちに損をしてしまうかもしれません。

 

知らないことは罪であり、悪です。

知った上で「やる」「やらない」を決めるのはあなたの自由。

 

ですが、「知らない」ではどうしようもありません。

 

まだまだ人生が長い20代だからこそ、いろんな可能性は捨てずに、視野を広く、オープンにいきましょう。

そのための知識。たくさん身につけていってくださいね。

 

そして、広がった選択肢で、自分らしい選択をしていってくださいね。

 

お読み頂き、ありがとうございました。