日本の消費税と世界の消費税

お金と税金
安江一勢
27歳で税理士をしています!

20代に向けて「お金の本」を執筆したり、幸せになるお金の知識を伝えたりしています!

 

私たちにもっとも身近であると言える税金。

それは「消費税」です。

 

1989年(平成元年)に日本で初めて「消費税」が導入され、その時の消費税率は3パーセントでした。

そこから、5パーセント、8パーセントと上がっていき、2019年10月より、10パーセントとなりました。

 

コンビニで商品を買うとき、携帯代を払うとき、電車に乗るとき、レストランで食事をするとき。

すべて、消費税が課税されます。

 

では、この消費税について、あなたはどれくらい知っていますか?

増税傾向にある消費税。これからは一体どうなるのでしょうか?

 

消費税のかんたんな仕組み

日本には、さまざまな税金がありますが、消費税は他の税金と少し性質が違います。

 

個人事業主の儲けに対して課税される「所得税」、会社の利益に対して課税される「法人税」、亡くなった際の純財産に課税される「相続税」。

これらは利益や純財産に対して課税されるため「稼いだ分だけ多く取る」ような仕組みです。

マイナスが出た場合には、基本的に納税はありません。

 

それに対して、消費税は、自身の所得や利益に関係なく、消費という行為をした方に対して、広く公平に課される仕組みになっています。

そのため、小学生であっても、大社長であっても、同じ10パーセントの消費税が課税されることになります。

 

会社員の方が納めている所得税は、給料から天引きされるという形式のため、なかなか納税を意識することはありませんが、消費税は払う際に必ず意識をさせられます。

その分、身近な税金であるとも言えますよね。

 

日本の消費税は高い?

では、この消費税。

あなたは高いと思いますか?安いと思いますか?

 

実は…。

日本は、諸外国と比べると、とても消費税が安い国です。

 

「10パーセントで安いなんて…」

そう、思ってしまいますよね。

 

それではいったい他の国はと言うと…。

なんと、消費税率の世界の平均値は「19パーセント」です。

 

なお、消費税は他の国では「付加価値税」と言われているので、ここでは、その付加価値税を消費税と置き換えてお伝えを致します。

意味はほぼほぼ一緒なので、同じだと思ってもらって大丈夫です。

 

さて、この19パーセントの消費税率。

これはあくまでも「平均値」です。

ヨーロッパでは、ほとんどの国が、この平均値以上の消費税率となっています。

 

では、世界で一番消費税率が高い国は、何パーセントだと思いますか?

 

正解は…。

「27パーセント」

ハンガリーの消費税率です。

 

高いですよねえ。

10,000円の物を買ったら、2700円が税金です。

税抜500円の定食を頼んだら、635円になります(笑)

 

そう考えると、10パーセントの日本は、まだまだ安い方だと言えますね。

 

これからの日本の消費税はどうなる?

今は10パーセントの日本の消費税ですが、実は「いずれ25パーセントくらいまでは上げた方が良いのではないか?」という議論が日本の中でも行われています。

国が財政難になればなるほど、税収で賄うしかありません。

 

財務省が発表しているデータ(2020年度)によると、現在の日本の税収のうち、全体のおよそ35パーセントが消費税からの税収です。

この部分の割合を上げるためには、消費税率を上げてしまうのが手取り早い。

そんなとき、税収を上げやすく、国民から公平に取りやすい税金が消費税なので、増税の議論がされることは必然の流れだといえます。

 

ちなみに、日本の税制はドイツの税制を参考にしている部分が多いそうです。

ドイツの消費税率は19パーセント。

いずれは日本もこれくらいまでは上がるかもしれませんね。

 

なお、消費税の税収は、年金・医療・介護・少子化といったものに充てられることが法律で決められています。

ヨーロッパは、消費税率が高いだけあって、これらの社会保障は手厚く、しっかりとしています。

高いことには理由があるということですね。

 

世界一幸せな国の消費税率は…?

国連が発表している「世界幸福度ランキング」。

このランキングで、2018年から2020年の3年連続で1位となった国があります。

その国とは「フィンランド」です。

 

そんな世界一幸せな国であるフィンランドの消費税率は、「24パーセント」。

日本とは、比べ物にならないほど高いですよね。

 

では、なぜ、こんなにも税率が高いのに、国民が幸福だと感じているのでしょうか?

それは、フィンランドは生まれてから死ぬまで、国に保障されていると言って良いほど、社会保障が手厚い国だということが理由のひとつに挙げられます。

 

医療費は無料。難しい手術や出産にかかるお金もかかりません。

また、学費も無料です。小学校から大学院まで、すべて無料です。

これだけでなく、その他の保障も手厚く、国民は国に守られています。

 

いずれ、日本もそのような仕組みになるのでしょうか?

 

消費税が高くて、社会保障が手厚い国か。

今のままの消費税で、今くらいの社会保障か。

 

あなたはどちらの日本が好きですか?

 

日本の幸福度は?

ちなみに、先ほどの世界幸福度ランキング2020。

私たちが暮らしている日本の順位は何位だったと思いますか?

 

ランキングの対象である153カ国のうち、日本の順位は「62位」。

この順位。高いですか?低いですか?

 

謙虚な国民性である日本人ではありますが…。

美味しい食事、平和な街、経済の発展。

これだけ恵まれているのだから、もっと幸福を感じても良いのではないかと思うのは、私だけでしょうか?

 

せっかく、日本人として生まれたからには、「幸せだ」と思える国にしていきたいですよね。

 

 

本日もお読み頂き、ありがとうございました。

 

(参照:世界幸福度ランキング2020)

https://happiness-report.s3.amazonaws.com/2020/WHR20.pdf