複利の力を味方につける

お金の知識
安江一勢
27歳で税理士をしています!

20代に向けて「お金の本」を執筆したり、幸せになるお金の知識を伝えたりしています!

 

複利は人類による最大の発明だ。

天才、アインシュタイン博士の言葉です。

 

また、その後に、このような言葉も残しています。

知っている人は複利で稼ぎ、知らない人は利息を払う。

 

あなたがお金支払う側として、複利の罠にハマらないように。

また、お金を稼ぐ側として、複利の恩恵を受けられるように。

 

複利の仕組みについて、お伝えをしていきます。

 

複利とは?

複利とは、利息の計算方法のひとつです。

 

元金から生まれた利息を、さらに元本へと組み入れ、増えたその元本に対して、また利息を計算していく方法です。

そのため、長く運用すればするほど、利息の金額は大きくなっていきます。

 

なお、利息のもうひとつの計算方法は、「単利」です。

こちらは、元本の金額をもとに、利息の計算が行われる方法です。

そのため、どれだけ運用をしようと、元本の金額が変わらない限り、利息の金額は変わらず、一定です。

 

 

文字だけじゃ、なかなか伝わらない部分も多いと思うので、実際に数字を出して、事例で見てみましょう。

【前提条件】

年間あたりの利率が3%として、あなたが友人にお金を貸したとします。

貸した金額(元本)は100万円。

貸付期間は10 年間です。

返済方法は、元金も利息も、10 年後に一括返済とします。

※手数料や税金などは一切考慮しない

 

なお、今回はイメージをしてもらいやすくするために、「貸した」場面でお伝えをしますが、その他の金融商品への投資でも同じ考え方です。

 

単利だと

単利の場合には、利息の金額は一定で変わりません

そのため、毎年3万円ずつの利息が貯まり、返済時には、10 年分で30万円となります。

 

1年目 利息30,000円(元金1,000,000円)

2年目 利息30,000円(元金1,000,000円)

3年目 利息30,000円(元金1,000,000円)

4年目 利息30,000円(元金1,000,000円)

5年目 利息30,000円(元金1,000,000円)

6年目 利息30,000円(元金1,000,000円)

7年目 利息30,000円(元金1,000,000円)

8年目 利息30,000円(元金1,000,000円)

9年目 利息30,000円(元金1,000,000円)

10年目 利息30,000円(元金1,000,000円)

 

10年後の返済額 1,300,000円

(10年分の合計利息額:300,000円)

 

複利だと

次に複利だと、計算された利息はそのまま元金に組み込まれていくので、毎年の利息の金額は増えていきます

そのため、1年目こそ、単利と変わらない30,000円の利息額ですが、10年目の利息額は39,143円にまで増えています。

10年間の利息額を合計すると、343,914円。

単利と比べると、同じ100万円を貸したにも関わらず、43,914円ももらえる利息が大きくなりました。

 

1年目 利息30,000円(元金1,030,000円)

2年目 利息30,900円(元金1,060,900円)

3年目 利息31,827円(元金1,092,727円)

4年目 利息32,781円(元金1,125,508円)

5年目 利息33,765円(元金1,159,273円)

6年目 利息34,778円(元金1,194,051円)

7年目 利息35,821円(元金1,229,872円)

8年目 利息36,896円(元金1,266,768円)

9年目 利息38,003円(元金1,304,771円)

10年目 利息39,143円(元金1,343,914円)

 

10年後の返済額 1,343,914円

(10年分の合計利息額:343,914円)

 

このように、複利でお金を貸した場合には、時間の経過に応じて、どんどんとお金が増えていきます。

もしも、この年利が15パーセントだったとすれば…。

 

1,000,000円で貸したお金は、返してもらう時には、4,045,551円になります。

 

…え?そんなに?

そう思われた方も多いでしょう。

 

1年目の利息は150,000円から始まり、複利によって増えた元金により、10年目の利息額は527,680円にまで膨らみます。

これぞ、複利の恐ろしい部分でもあり、アインシュタインに「人類最大の発明」と言わせた仕組みです。

 

ただ、しかし。

この記事は高い金利で貸すことを勧めるものではありません(笑)

あくまでも、複利の仕組みについて、知ってもらう記事です。

 

そのため、次はこの複利の仕組みを「払う側」と「もらう側」で考えてみましょう。

「どうせお金なんて貸さないし」だなんて、思わないように。

お金を貸す場面だけが複利の活用方法ではありません。

誰でも、この複利の仕組みは活用することができます。

 

これからの人生が長い20代こそ、この複利の仕組みをうまく活用することで、より多くお金を稼ぐことができてしまいますよ。

 

払う側で考えると…?

まずは、複利で払う場合から、考えてみましょう。

 

先ほどの事例では、あなたがお金を貸した側でしたが、もしもこれが、あなたが借りた側だったら?

言うまでもありません。返さなければならないお金が大きく増えてしまいます。

 

投資をすることはリスクなのではないか?と言われる方も多いですが、金利の高い借金をする方がよっぽどリスクです。

万が一、複利の計算方法による借金をしてしまったとすれば、返済が遅れれば遅れるに連れて、その金額はどんどんと増えてしまうことでしょう。

 

お金がないから、お金が必要だからと言って、よく分からずに借りることはやめましょう。

複利でお金を借りてしまっては、大変なことになってしまいますよ。

 

もらう側で考えると…?

さて、では、次はもらう側です。

今回の複利の知識は、お金を増やす場面でうまく活用してください。

 

投資信託の中には、分配金というものが出るものがあります。

これはその投資信託の運用実績に応じて運用会社から出されるものです。

 

この際に、その都度、分配金を受け取るものが、単利です。

その分配金をその時には受け取らずに、そのまま元本に組み込んでしまうものが、複利です。

再投資だなんて、言ったりします。

 

そのため、分配金を複利方式にしておくと、元本は増えていき、もらえる分配金も増えていきます。

これこそ、複利の効果です。

 

複利のポイントは、「期間」です。

期間が長ければ長いほど、毎年の利息や分配金の金額は増えていきます。

 

だからこそ、投資できる期間が長い20代は、この期間による複利の効果を最大限に受けることができます。

1年や2年などの短期では、それほどメリットがなくとも、10年以上の長期での投資であれば、複利の効果を受けられます。

ぜひ、この複利の仕組みをうまく活用するようにしましょう。

 

お金を増やす時には複利の力を活用しよう

20代のうちは、まだまだ余裕のあるお金というものは、それほど多くないかもしれません。

しかし、20代には、時間という大きな財産があります。

 

複利の効果を受けるためには、お金だけでは足りません。

時間が必要になっていきます。

 

そのため、たとえ投資できるお金が少なかったとしても、時間という財産を組み合わせ、うまくお金を増やしていきましょう。

これは、あなたが20代だからこそ、最大限に効果が受けられることです。

 

あなたが、時間という財産を無駄にしないためにも。

複利の力を味方に付けて、長いスパンで考え、お金を確実に増やしていってくださいね。

 

本日もお読み頂き、ありがとうございました。