お金のことを勉強し始めると、この言葉によく出会うと思います。
「iDeCo」
これは「イデコ」と呼びます。
「名前は聞くけれど、何のことかわからない…」
そんな方のために、iDeCoについてお伝えをしていきます。
20代は、iDeCoのこと、知っておいて損することはありませんよ!
iDeCoとは
iDeCoとは、日本語で個人型確定拠出年金のことを言います。
ざっくり言うと、将来の年金の積み立てを自分で行い、そのお金を自分で選んだもの(投資信託など)で運用を行い、将来、年金としてもらえるという制度です。
国民年金や社会保険が強制加入などに対し、iDeCoは任意加入です。
通常もらえる年金とは別枠の年金を、自分で積み立てておこうというものです。
年金用の貯金と言い換えると、わかりやすいかもしれませんね。
どんな時に使える?
この制度は「節税」と「年金積立」が同時にできます。
そのため、生活に余裕のある方や貯金上手な方は、始めた方が良いものです。
特に会社員の方にはおすすめです。
高所得者の方はそれこそ、特にです。
会社員の方は給与の中での節税は限られていますからね。
賢く、合法な中で、しっかりと節税をしましょう。
では、この年金の積立であるiDeCoですが、貯金や積立保険と何が違うのでしょうか?
貯金との違い
まず、貯金の場合には、どれだけ貯金をしようとも、納税している所得税及び住民税が減ることはありません。
普通預金の場合には、その預金が増える金額も本当にわずかです。
100万円貯金していようが、1000万円貯金していようが、納める税金が変わらないというのは、なんだか不釣り合いのように思ってしまいますよね。
積立保険との違い
次に、積立保険の場合です。
保険の商品の中には、将来の年金の積み立てとして、保険を活用しましょうというものがあります。
保険会社の方から言われて、入られている方も多いのではないでしょうか?
積立保険の場合には、受け取る時にはiDeCoと同様な税制のメリットを受けることができますが、支払う時には、それほど節税効果を受けられるものではありません。
生命保険料控除と言われる控除を受けることはできますが、上限額も少なく、「年金の積み立て」という目的だけならば、微妙かもしれません。
もちろん、積立保険であれば、積み立てている時には、保険としての保証を受けることもできますし、保険の商品によっては、その積立額を大きく増やすこともできるかもしれません。
目的によって、iDeCoなのか、積立保険なのかを考えて、活用されてくださいね。
どのような人が活用できる?
では、このiDeCoはどのような方が活用できるのでしょうか?
これは、対象者がとても広く
20歳以上60歳未満のすべての方
が加入できます。
そのため、会社員でも、起業をしている人でも、主婦(主夫)でも、公務員でも、入ることができます。
そして、その積み立てたiDeCoは、60歳以降に年金のような形で受け取ることができます。
もしも、将来の年金の積み立てとして、貯金をしているお金があるならば、それをiDeCoを活用して、積み立てるのも良いかもしれません。
それくらい誰でも使えて、使いやすい制度でもあります。
なぜ、iDeCoが生まれたのか
iDeCoが生まれたのは、2001年のことです。
まだまだ歴史が浅いですよね。
そのため、なかなか世の中にも浸透しきっていないイメージです。
昔は年金制度自体がうまくいっていましたからね。
ただ、なかなか今はそうはいきません。
年々、深刻さが増す少子高齢化により、うまくいっていない年金制度。
今の20代が大人になる頃には、国からどれだけの金額の年金をもらえるのかは正直不透明です。
となると、そんな不透明なものに依存をするよりも、自分の老後は自分で守るということで、iDeCoは勧められています。
iDeCoの元々の発祥はアメリカです。
そのアメリカでうまくいっている「401K」という制度を日本版として制定したものになります。
日本版401Kだなんて、言われることもあります。
iDeCoという名前は日本独自のもので、一般応募の中から、30代女性の会社員の方の案が採用されたものです。
iDeCoの「i」には、私という意味も込められているようで、自分で運用する年金という意味合いがあるようです。
ちなみに、iDeCoは「individual-type Defined Contribution pension plan」という英単語の一部から構成されたようです。
当初の「個人型確定拠出年金」では堅いイメージなのが、「iDeCo」でだいぶおしゃれになったので、親しみやすい名前になりましたね。
これからの自分の将来のために「自分で運用する年金制度」
それがiDeCoであり、これからの時代を見据えての制度が導入されました。
iDeCoのメリット
さてでは、本題とも言える部分。iDeCoのメリットについてです。
iDeCoのメリットは、次の3つです。
1、掛金が全額所得控除される
2、確定拠出年金制度内での運用益が非課税になる
3、受給時に所得控除が受けられる
ひとつずつ、解説していきます。
1、掛金が全額所得控除される
これは、毎年の所得税と住民税が安くなるよ、というものです。
会社員であれ、起業家であれ、私たちは一定の法律のもと、税金の計算が行われています。
会社員の方であれば、特に使った経費は税金の計算上は考慮をされませんが、その中でも考慮されるものがあります。
それが、年末調整などで、会社に提出している生命保険や健康保険関係です。
国民健康保険料や国民年金(社会保険料も)は支払った金額の全額が税金の計算上では、経費にすることができます。(この経費のことを所得控除と呼びます)
ただ、生命保険料に関しては、全額を経費にすることはできず、一定の金額の元、年間で最大12万円分しか所得控除をすることができません。
そのため、生命保険料を支払っていても、それほど税金が安くなるわけではありません。
しかし、iDeCoに関しては、支払った金額(積み立てた金額)のすべてを所得控除にすることができます。
税金が軽くなる割合は、その人の年収によって変わりますが、最低でも支払った金額の15%は所得税と住民税が安くなります。
この場合だと、月1万円ずつをiDeCoで積み立てたとしたら、年間で1.8万円、税金が安くなります。
貯金をしていたら、この1.8万円は納税しないといけなかった金額なので、年金の積み立てという目的ならば、iDeCoを活用する方がお得ですね!
2、確定拠出年金制度内での運用益が非課税になる
iDeCoは積み立てたお金を運用していきます。
その中で、利益が出た場合には、通常は税金が課税されます。
大体、運用益の20 %くらいを税金で納税しなければなりません。
iDeCoを活用すると、この20%ほどの税金が非課税になります。
つまり、納税しなくて良くなります。
この部分も、iDeCoが勧められている理由のひとつです。
3、受給時に所得控除が受けられる
最後は、年金受け取り時でのメリットです。
通常では、このような収入を受け取る場合には、その全額が税金の対象となります。
しかし、iDeCoの場合には、受け取り方法によって、それぞれ控除枠をもらうことができ、かかる税金が少なくなります。
iDeCoには、一括してお金を受け取る「一時金」形式での受け取りと、分割して年金のように受け取る「年金」形式での受け取りがあります。
一時金の方では、退職所得控除という控除枠が。
年金の方では、公的年金等控除という控除枠が。
それぞれもらえます。
これを使えると、税金は軽くなり、場合によっては税金が全くかからない場合もあります。
計算方法はケースバイケースになるので、詳しくはお伝えできませんが、間違いなくお得です。
国が勧めているだけあって、税金面での心配はあまりないように思います。
iDeCoで気を付けておいた方が良いこと
ただ、やはりこのようなものは、メリットだけではありません。
気をつけておいた方が良いこともあります。
ここでは大きく分けて、3つお伝えをしておきます。
iDeCoを活用する際には、しっかりと調べた上で、行うようにしてくださいね。
1、60歳まで解約できない
iDeCoは年金を積み立てる制度なので、原則として、途中で解約することができません。
そのため、途中で積み立てたお金を引き出すことができません。
ただ、これは当たり前ですよね。年金の積み立てですから。貯金ではありませんから。
iDeCoの節税のメリットを多く受けるためには、多くの金額を積み立てる必要があります。
このように節税のために多くの積み立てをすることは悪いことではありませんが、必ず余裕資金の中で行うようにしてくださいね。
無理のない金額を積み立てるようにしてください。
2、元本割れのリスクはある
iDeCoで積み立てたお金は、あなた自身で運用先を選んで、運用をしていくことになります。
そうやって、将来の年金資金を増やしていくのですが、当然ですが、減ることもあります。
いわゆる元本割れです。100万円積み立てていたのに、90万円になったというものです。
このリスクはやはり投資にはどうしても生じます。
そういうリスクを1円でも負いたくないという方は、iDeCoはやめておいてください。
ただ、同時に「節税できていない」というデメリットは生じてしまっているので、その部分も踏まえた上で判断するようにしてくださいね。
3、手数料や維持費がかかる
この部分は、どうしても仕方がないことですが…。
金融機関で登録をする際や毎年の維持費として、手数料が生じます。
そのため、元本割れのリスクを怖がるあまり、元本保証型などの安全な商品で運用をしてしまうと、手数料分で損をしてしまうこともあります。
手数料や維持費は金融機関ごとでも違いがあるので、そのような部分も考慮して、商品や金融機関を選択するようにしてくださいね。
自分の年金は自分で積み立てよう
いかがでしたか?
決して簡単な制度ではありませんが、所得がある程度ある方は納める税金も高くなってくるので、やってみる価値があるのではないかと思います。
iDeCoには積み立てられる年間の上限額も決まっています。
そのため、できるだけ若いうちから始めて、長く積み立てていくことが、一番メリットを受けることができます。
20代の方であれば、一層メリットを受けられます。
これからの時代は年金は自分で積み立てる時代。
国の文句を言うくらいならば、年金がもらえるか不安になるくらいならば、早いうちから自分で手を打っておきましょう。
「やっておけばよかった」とならないように。
将来のライフプランを見つめながら、今の自分のためにも、未来の自分のためにも、お金のことを考えて、行動していってもらえたらと思います。
今の自分で積み立てる未来の自分のための年金制度。
iDeCoをうまく活用してみてくださいね。
本日もお読みいただき、ありがとうございました。
参考:iDeCo公式サイト(https://www.ideco-koushiki.jp)
20代に向けて「お金の本」を執筆したり、幸せになるお金の知識を伝えたりしています!