あなたが住んでいる自宅の家賃はいくらですか?
広さによって、立地によって、築年数によって、それぞれでしょう。
そんな中、よく言われている家賃の基準がこれです。
「家賃は給料の30%以内に抑えるべきである」というもの。
はたして、これは、適正な基準なのでしょうか?
今回は、この基準について、お伝えをしていきます。
なお、賃貸ではなくマイホームを購入しているという方は、この場合の家賃は、毎月の住宅ローンの返済額を家賃と見て、考えていただければと思います。
家賃は給料の30%にするべきである
家賃30パーセントルールだなんて、言われることもあるこの基準。
聞いたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか?
少し調べてみたところ、このルールに明確な根拠などがあるわけではないみたいでしたが、なかなか絶妙なラインではないかと思います。
ここでいう給料の3割とは額面の金額ではありません。手取りの3割です。
そして、年収の3割でもありません。
年収には、ボーナスも含まれます。
家賃は、毎月発生してくる固定費なので、ボーナスのお金をあてにしてしまうと、なかなかお金が回らなくなってしまいます。
そのため、毎月の手取りの3割と考える方が良いでしょう。
実際、どれくらい?
では、実際、この30パーセントの金額はどれくらいの金額なのでしょうか?
ざっくりと、試算をしてみます。
※独身で社会保険に加入しており、ボーナスは夏冬合わせて3ヶ月分として、概算計算により、試算。
年収300万円→手取り16万円ほど→4.8万円
年収350万円→手取り18.5万円ほど→5.5万円
年収400万円→手取り21万円ほど→6.3万円
年収450万円→手取り23.5万円ほど→7万円
年収500万円→手取り25.8万円ほど→7.7万円
いかがでしたか?
あなたの家賃はこれくらいになっているでしょうか?
年収500万円で7.7万円と考えると、東京近辺の家賃相場では、なかなか厳しい数字ではないでしょうか?
こうして見てみると、手取りの30パーセントという基準は、改めてなかなか的を射てるラインではないかと思います。
安くすれば良い?
では、家賃は安ければ安いほど、良いのでしょうか?
例えば、ひとり暮らしなどをせずに、実家に居れば、家賃は抑えられるでしょう。
利便性が悪いところになればなるほど、家賃は下がります。
築年数の古いもの、あまりに狭いもの。治安が悪いところ。事故物件と呼ばれるもの。これらは当然低い家賃となるでしょう。
確かに、安ければ安いほど、節約にはなるかもしれません。
しかし、あまりに安く抑えすぎると、節約できたというメリットよりも、デメリットの方が大きくなってしまいます。
私自身、はじめてのひとり暮らしの時には「安さ」だけを重視して、家賃1.9万円のボロボロのアパートで暮らしていました。
そこは、シャワーもなく、洗濯機も置けないような環境で、他の住人たちも訳ありのような方々が住んでいたほどでした。
正直、家は、安らげる環境ではなく。
家に居たくないあまりに、専門学校や近くのマクドナルドでずっと勉強をしていました。
そんな環境だったからこそ、多くの勉強ができ、税理士になることもできたので、良かったと思える部分もありますが…。
劣悪な環境の中で過ごしすぎていたため、当時の私の性格はだいぶ歪んでしまいました(笑)
その部分を考えると、トータルでは、だいぶマイナスです。
当時の私は「稼げるようになって、この家から早く引っ越したい」という思いで、反骨心全開で、頑張っているだけでした。
こんな状態で、努力はすべきではありません。モチベーションが持たないですからね。
夜な夜な、勉強をしながら発狂をするほどに、精神的に追い込まれたこともありますし…。
いま思うと、もっとちゃんとした家に住んでいれば、もっと楽しく勉強を続けることができたのではないかと思っています。
体も心も大切な資本。だからこそ、それらを保ち、高める場所には、お金をかける必要があります。
そうでないと、どれだけ知識を身に付けても、土台の心身が伴っていなければ、身に付けた知識を活かすことはできなくなるでしょう。
落ち着ける家を持っておく、安らげる家を持っておく、ということは、心身ともに健康で過ごすためには、重要であると言えます。
安すぎる家に住むことは、とても危険です。
もしも、そんな安すぎる家に住むときには、目的を決めましょう。
「安いから」だけでは、デメリットが大きすぎます。
「下積み期間で自分を追い込みたいから」などの目的なら、期限を決めれば、まだ良いかもしれません。
長く住むところにはお金をかけよ
賃貸の場合、契約期間は2年というところも、多いでしょう。
マイホームの場合には、10年単位になります。
そう考えると、住む家を決める際には、長期的な目線で判断をしなければなりません。
長く住もうと思っているのであれば、尚更です。
日々の暮らしの積み重ねが、これからを創っていきますから。
あなたがその家を借りている目的は何ですか?
ただ寝るだけ?安心するため?家族との愛を深めるため?子どもを育てるため?
一つだけではないはずです。いくつもあると思います。
そんな、目的に合う家を選ぶことが、金額よりも大切なことです。
固定費は下げるべきだとよく言われますが、お金をかけるべきところには、かけるべきです。
家賃が高いものには、必ずその高い理由があります。
立地なのか、名声なのか、安全性なのか。
その理由にあなたがメリットを感じられれば、払う価値があるでしょう。
ただ単に「高いからダメ」「30%を超えているからダメ」ということではありません。
家は身内だけの空間です。
自宅での休息があってこそ、仕事にも良い影響が生まれます。
そのため、長く住む予定の家ならば、お金はかけるべきです。
家での生活バランスが崩れると、結果として、収入も下がってしまいますから。
目の前の支出だけの側面で考えずに、その家で気分良く過ごせるかという部分を長期的に判断してくださいね。
ただ、理想の家を追い求めすぎて、その後の生活ができなくなっては本末転倒です。
バランスも大切です。
収入によっては、妥協をしないと厳しいこともあるかもしれませんので、妥協をしなくて良いように、無駄な支出は減らし、しっかりと稼ぎましょう!
自分の心身を整え、癒す場所である自宅にお金をかけることは、大切な消費であり、場合によっては、心身への自己投資にもなりますよ!
しっかりとした目的を、自宅を選ぶ際の中心の判断材料にしてくださいね。
お金だけで考えず、お金の部分も含めて考えよう
家賃30パーセントルールはよくできている指標ではあります。
しかし、だからといって、このルールに捉われすぎることはやめましょう。
人によっては「家賃は30パーセント以内でないとダメ」だなんて言ってしまったりもしますが、経費を抑えることは、それほど重要ではありません。
30パーセントに抑えることを考えることに時間を使うのであれば、30パーセントの枠を増やすことにフォーカスをしましょう。
ルールは変わりません。
年収400万円と500万円では、1.4万円も30パーセントの枠に差があります。
あなたが妥協をすることなく、理想の家に経済的に無理なく住みたいのであれば、手取りを増やすことに時間とパワーを使ってくださいね。
お金には限りがあります。
そのため、お金のことを考えることは大切なことです。
しかし、お金のこと”だけ”で物事を判断することはやめましょう。
お金のこと”だけ”で判断するのではなく、お金の”部分”も判断材料に入れた上で、決断をしてください。
あなたの大切なお金を何に配分をしていくのか。
家賃、食費、娯楽費、自己投資…。
その選択で、あなたの”いま”と”みらい”は変わります。
現実的な今の割合を知ることも重要ですが、あなたが目指す理想の割合を描いておくことも同じくらい重要です。
お金はしあわせになるために使うもの。
しあわせになるお金の配分をしていってくださいね。
自宅はもちろん、そのほかのすべても。
あなたとあなたの周りの大切な人たちが、しあわせになるために、そのお金を使っていってくださいね!
本日もお読みいただき、ありがとうございました。
20代に向けて「お金の本」を執筆したり、幸せになるお金の知識を伝えたりしています!