「朝起きて、仕事に行きたくないと思ってしまう。どうしたら仕事を楽しいと感じられるようになるのか」
そんな20代女性からの切実な質問に、起業家・安江一勢氏は真摯に向き合った。

「まず、その“行きたくない”気持ちは、あなたに問題があるわけじゃない」と安江氏は語る。
「大切なのは、“なぜ仕事が楽しくないのか”をちゃんと掘り下げること。自分の心の声を聞いてあげてほしいんです」。
仕事の外に「楽しい」をつくる
安江氏はまず、「仕事を楽しくする」以前に、仕事以外に楽しみを見つけることが先決だと話す。
「仕事そのものを楽しむって、実はハードル高いんですよ。すでに“嫌だな”って思っている状態から、急に楽しくしようとするのは難しい。だから、まずは“自分が心から楽しめる時間”を仕事の外に持つこと。それが、自分にとっての支えになります」。
たとえば、趣味や友人、恋人との時間、自分磨きとしての資格勉強、副業や起業など、小さな目標でもいい。「その楽しい時間のために働こう」と思えれば、仕事にも意味が生まれる。」
「僕自身、20代のころは異業種のコミュニティに参加して、会社以外の世界に身を置きました。そこの経営者の方々と出会う中で、いい刺激もあれば、怪しいビジネスにもぶつかりました(笑)。でも、そういう経験を通じて、自分の得意・不得意、好き・嫌いがだんだん分かってきたんですよね」。
副業や“お手伝い”で見える、自分の適性
次のステップとして安江氏が勧めるのが、副業や起業家の“お手伝い”だ。
「お金をもらわなくてもいい。とにかく現場に飛び込んで、誰かのために動いてみること。それが、自分の新しい可能性を開いてくれるきっかけになるんです」。
営業向きの人が事務職をしていたら、そりゃ辛いはず。「自分に合わない仕事」に無理してハマろうとせず、一歩外に出てみることで、“自分らしい仕事”が見えてくると安江氏は言う。

「仕事がうまくいかないのって、自分が悪いわけじゃなくて、単に“仕事と人の相性が悪い”ってだけのことが多い。合ってる場所に移れば、嘘みたいに成果も出るし、何より楽しいんですよね」。
「誰と働くか」が、すべてを変える
「仕事の楽しさって、結局“誰と働くか”なんですよ」と安江氏は言い切る。
仕事内容も大切だが、一緒に働く人や職場の空気がその人に与える影響は、計り知れない。
「だからこそ、“この人いいな”って思える人を見つけて、その人の近くで学ぶ。環境を変える。情報を受け取る。それだけでも、自分の視界は一気に広がります」。
とはいえ、情報が溢れる時代。なんでもかんでも見ればいいわけではない。「影響を受ける相手は、ちゃんと絞ること。僕も“この人だ”って思った人の話しか聞かないようにしています。そうじゃないと、ブレるんです」。
キャリアは一生ものの「自分探し」
安江氏は「仕事探しは、言い換えれば“自分探し”」だと言う。
「自分のことが分かっていないと、何が向いているかも分からない。それは、学校を卒業して最初に入った会社が、たまたま合っていたって人ももちろんいるけど、そういう人って実は少数派なんですよね」。
だからこそ、「今の仕事が楽しくない」という気持ちは、自分に合う場所を探すチャンスだと捉えてほしい。「それはサインです。無理に“楽しまなきゃ”じゃなくて、“合ってないのかも”って思っていい」。

「楽しい仕事」は、育てるもの
最後に、安江氏はこんな言葉を残した。
「最初から楽しい仕事なんて、実は少ないです。でも、自分で勉強したり、仲間を見つけたり、お客さんに“ありがとう”って言ってもらえたりする中で、仕事はどんどん楽しくなっていく。だから、まずはその可能性を信じて、自分の時間を大切にしてほしい」。
今、仕事が楽しくないと感じている人も、もしかしたらそれは、新しい世界への入り口かもしれない。自分の“楽しい”を探す旅は、もう始まっている___。
動画で見たい人はこちら→「仕事が楽しくない人へ。20代のうちに知ってほしい大事なこと」